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権利者と利用者の溝は深い

 下衆の勘繰りだ!誹謗だ!中傷だ!と突っ込まれるかも知れないけど、一応書いとく。少なくともこう思わされる展開になっているのは事実だから。

リンク: 私的録音録画小委員会:反対意見多数でも「ダウンロード違法化」のなぜ (1/2) - ITmedia News

 デジタルデータが普及してきて完全なコピーが容易に流通しやすい時代になってきているので、それに対して何らかの手を打たないと作る側のビジネスが立ちゆかなくなる、という主張は納得できます。

 けど「一応反論を聞いてやったけどそれを受け入れる気は毛頭無いよ。どうせ最初からやることは決まっているんだ。まぁソコソコ反論をくんでやるけど、どうせ後で見直しとかいって調整できるから、最後には全部こっちの都合がいいように改変できるしな。」とばかりのこの流れにはあきれはてました。

 まぁ権利者とか役人連中が金と権力と大きな口に物を言わせて、「衆愚」たる消費者の気持ちを平気で無視するのは今に始まったことじゃないので、予想できた展開なんだけど、あまりにもそのまんまなので笑うしかない。もうちょっとサプライズがあっても良くないか?

 なんせこういう議論の場では(システム上仕方がないとはいえ)権利者側の声が圧倒的に強く反映されるようになっていて、出席できる有識者といっても多くの人は権利者の声を代行するだけの存在ですから。「何も知らないお馬鹿な消費者は黙って従えばいいんだ、どうせろくなこと言わない悪人どもなんだからさ。俺たちお利口な善人にすべて任せておけばいいんよ。」って思っているんじゃないかと勘ぐりたくなります。

 そりゃあ権利者側の主張ももっともで、被害が出ているのは間違いないでしょうが、ここまでバカにされるともうあきれるというか。

  • 「そういうあなた達もその泥棒の一人ということになるんですが?」
  • 「あなた達は、音楽も聴かないしテレビも見ないしソフトも使わない消費文化の輪から外れた仙人様ですか?」
  • 「それとも自分たちは泥棒なんてしない善人だとでも?」
  • 「自分のことをそう言っている人は信用できないと公言しているのは他ならぬあなた達なんですがね?」

これはさすがに言い過ぎか…。でもこう言いたくなるくらい腹立つんですが。

「今は過渡期で、例えばレコード会社がDRMフリーで音楽配信するなど、さまざまな試行錯誤が行われている。どういった形態がうまくいくかは市場の評価が決めること。『著作権保護を強化し、ユーザーに対する規制を強めようというこういった流れが強くなれば、ユーザー側は『じゃあ音楽を買わない』『TVも見ない』という方向になると思うがそれでいいのか」(津田委員)

 たぶんこう主張しても、「どうせ消費者が買わない・見ないなんてできっこない。否応なしに従うことになる。だから問題ない。」と思ってるんでしょう。別に楽しむことは他にもあるから、音楽を買わなくてもテレビを見なくても困らなくなりつつあるんですが、なーんにも分かってないですね。

 実際、家庭用TVゲームや携帯の普及によってテレビや音楽に自分の時間を使う比率が下がってきている例もあるわけで、その流れを更に加速させても別に構わないということなんでしょう。完全にゼロにすることは確かにできないかもしれないけど、最小限に抑えることはできますから。

レコード協会の生野委員は「タダで入手できないから買わなくなる、というのは全くありえない」と強い調子で反論する。「ネット上での違法流通は、日本国内でも中国の海賊版と同じぐらいひどい状況。このままではレコード業界のビジネスが立ちゆかなくなる」

 日本が中国の海賊版と同じくらいひどい状況ってどこの調査結果ですか?そんなに違法流通していると? 中国の海賊版規模はそんな生半可なモンじゃないと素人考えで思うけど、これは出典を知りたいな。

小六委員は「日本音楽作家団体協議会の構成員は、著作物の利用者でもある。協議会での議論でも『ダウンロードを違法化しないほうが、ビジネス面では優位なのでは』という意見も出た。だが著作権のそもそもの理念を考え、利用者側としての不都合を受け入れても、こうするしかないという結論になった」などと説明する。

 なるほど、このあたりはクリエイター側もトレードオフとして認識しているところなんですね。

 実際JASRAC管理の曲を作曲者自身が利用する場合でも、ちゃんと許諾もらって利用料金を払う必要があるというシステムになってますが、これも納得の上だと。しかし、システム化する際に特例とか作ると運用が難しくなる関係でこうなっているのは理解できますが、どこか釈然としないのもまた事実。

 ところでこれ、ちゃんと自分が自分の曲に払った分に相当する収益は入ってくるんですよね?

椎名委員は「地上波テレビのビジネスモデルが日米で違うという事情は、総務省の委員会でも検討してきた。そういった違いがありながらも、ネットと向き合う上での規範という意味では横並びはあってもいいのではないか」と話す。

 ハァ? この主張だと、日本は地上波テレビで規制をきつくした上で、ネットでもきつくするという二重苦になってしまうんですが…。これなら地上波テレビの規制の緩いアメリカの方がまだマシ。こんな締め付けられる一方の日本国民なんかやめて、マジでアメリカにでも移住しようかしら。

また、違法アップロードしているユーザーに対して、日本レコード協会などが警告すると、9割がアップロードをやめる――といったことや、P2Pファイル交換ソフトの利用していた人が利用をやめた理由について、26.4%が「著作権侵害を避けるため」と答えた――といった事実を踏まえ、「総合的に勘案すると、(違法コンテンツ流通への抑止力としても)改正はやむをえない」と話す。

 あれ? 違法アップロードユーザーに警告すればほとんどの人がやめてるんですよね? これだと、違法アップロード取り締まり(警告レベル程度)でもかなりの成果を出せそうなんだけど、どうしてそう考えようとしないんですかね? 違法ダウンロードに対して違法だからと追いかけて取り締まるんですか? そっちの方が圧倒的に数が多いんだから大変じゃないですか?

「反対する人々の疑念に答えるため、政府、文化庁、権利者にも汗をかいてもらって、まぎれないように運用していきたい」(川瀬室長)

そう願いたいもんです。というか「これで消費者の首根っこも絞められて楽ができるな。」なんて思わないで欲しい。

「仮に、権利者が違法サイトからダウンロードしたユーザーに対して民事訴訟をするとしても、立証責任は権利者側にある。権利者は実務上、利用者に警告した上で、それでも違法行為が続けば法的措置に踏み切ることになる。ユーザーが著しく不安定な立場に置かれる、ということはない」などとする。

 きちんと適用されるならいいんですが、「いちいち警告なんて面倒だからとっとと立件してスケープゴートにしちまえ!一般庶民なんてびびらせれば大人しくなるだろう。」なんてことになったら洒落にならんのですが。

文化庁は「キャッシュの扱いについて議論した著作権分科会の今年1月の報告書などを踏まえ、必要に応じて法改正すれば問題ないのでは」などとしている。

 この「必要に応じて法改正」が怖いんですけどね。現時点ではとりあえず許している範囲もやがて規制の対象にする危険性があるわけで。緩くなる可能性もあるけど、わざわざ緩めることなんてしなくて、むしろきつくする方向に向かうでしょう。

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